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2022年度 岡山理科大学プロジェクト研究推進事業 (OUS-RP-22-4)

生体・光電子機能を繋ぐ 

“ベンゼン環形成型クリックケミストリー” 
 


~医薬品および光電変換材料の開発と高次機能化への展開~

​"Benzene Ring-Forming Click Chemistry"
for Innovative Bioconjugation and Optelectronic Materials

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Congratulation!

"トリアゾール"
生体分子を連結・機能集積化

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"For the development of click chemistry and bioorthogonal chemistry"

研究目的 / Mission

"ベンゼン環" で繋いで拓く
新しい合成化学と医薬品・材料機能

 二分子を選択的かつ効率的に連結する』合成反応は新たな医薬品・材料を開発る上で最も基本的なプロセスである。このため 1800 年代の有機化学の幕開けから “炭素-炭素結合の生成” を中心として様々な反応が開発され,目的化合物が合成されてきた(下図①)。しかし分子生物学や創薬化学といった分野では,取り扱う分子が複雑であり目的とする反応が効率的に進行しない。この中で,2002年に銅触媒でアジドとアルキンを連結するトリアゾール合成が報告され,特に優れた選択性を実現するため人工酵素や医薬品の開発に応用された(下図②)。このようにアジドとアルキンからトリアゾールを合成する反応は『クリックケミストリー』と名付けられ,創薬産業を中心に応用されたことにより,2022 年にノーベル化学賞を受賞するに至った。しかし,銅触媒の細胞毒性やトリアゾール骨格の汎用性の乏しさといった欠点も克服できる『ベンゼン環形成型クリックケミストリー』を確立し、本学独自の学術領域を提案することを目指す(下図③)。

① 炭素-炭素結合の形成(一例):鈴木-宮浦カップリングで分子骨格を繋ぐ

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2010年 ノーベル化学賞

Miyaura, N.; Suzuki, A. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1979, 866.
Miyaura, N.; Yamada, K.; Suzuki, A. Tetrahedron Lett. 1979, 20, 3437.

→ 炭素-炭素結合を形成できるが,複雑な反応系では適用困難

② クリックケミストリー:トリアゾールで分子機能も繋ぐ

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2022年 ノーベル化学賞

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Rostovtsev, V. V.; Green, L. G.; Fokin, V. V.; Sharpless, K. B. Angew. Chem., Int. Ed. 2002, 41, 2596.
Tornoe, C. W.; Christensen, C.; Meldal, M. J. Org. Chem. 2002, 67, 3057.

→ 複雑な分子機能の集積化にも利用できるが,触媒毒性&トリアゾールの汎用性に改善の余地あり

③ 本研究:ベンゼン環形成型クリックケミストリー

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汎用的モチーフ『ベンゼン』を形成し機能集積化,機能性分子を合成

メンバー / Member

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有機合成班

応用化学科 奥田 靖浩

​生理活性評価班

生物科学科 松浦 信康

デバイス特性評価班

岡山大学 異分野基礎科学研究所

西原 康師

​森 裕樹

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研究業績 / Publication and Award

① [奥田] 令和4年度 岡山工学振興会 産業先行研究
        岡山県産業振興財団科学技術賞 を受賞しました

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お問い合わせ / Contact

本プロジェクトに関する質問,技術相談については 研究・社会連携部 

まで.

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